永久歯は抜いてしまうともう二度と生えて来ることはありません。
掛け替えのないご自分の歯を利用してできるだけご自分の歯で噛んでいただきた。
そんな思いからこの治療法を行なっております。
※歯周病のため抜歯と診断された方は対象外になります。
歯の移植・再植とは
移植・再植とは従来であれば抜歯して捨ててしまったご自身の歯を利用して、可能な限り歯を保存する治療法です。
適切な準備を行い、正しい手順を踏めば、100%とは行かないまでも、かなりの確率で抜歯と諦めていた歯を再利用して噛むという、歯本来の機能を取り戻すことができます。
再植については抜歯後、抜歯した穴に戻すので、あまり問題はありませんが、移植においては、移植する場所の骨の形が移植歯の根の形に適合しているかが重要になります。そのため移植は再植と比べると成功率が下がります。
そのほか歯の無い部分に施す処置には
・ブリッチ
・入れ歯
・インプラント
があります。
どんなときに行うのか
再植を行う場合
・歯の健康な部分が少ない
・根の膿がかなり溜まっている
・根っこが折れた
この3つの場合に行うことが多いです。根の膿が溜まっている場合の処置に関しては保険治療の範囲でできます。他の治療は基本的に歯を引っ張り上げる処置になります。
移植はなんらかしらの理由で抜歯と診断された場合、移植に適した親知らずがある場合のみ移植を行います。
治療の流れ
1)移植床(歯を植えるところ)の準備(抜歯や骨を削るため局所麻酔をします。)
2)ドナー歯の抜歯(植える歯の確保)
3)歯の移植
4)移植歯の固定(抜けないように隣の歯に繋ぐ)
5)傷口の消毒
6)根っこの治療
7)被せ物の治療
治療期間は歯の状態により異なりますが歯がくっつくまでは1〜2ヶ月ほどかかります。
料金について
移植:10万円 再植:5万円 ※手術費用の支払いに関しては2回払いとなります。
1回目 手術時(手術費用の半分)
2回目 移植、再植が成功して歯が骨に定着した時(残りの半分)
※移植歯や移植床の状態が悪い。再植歯の状態が悪いなど、手術がうまく行かないと判断し、抜歯となった場合は手術日をいただきません。(抜歯の保険一部負担金はかかります。)また手術は成功したが最終的に歯が骨とくっつかなかった場合は初回費用(手術時のみの費用)をご負担していただくこととなります。
また移植、再植後の被せ物は自費診療となります。詳しくは下記を参考にしてください。
保険でできる再植
保険でできる再植は歯の根っこに膿がたまってしまった場合行うことがあります。この場合根っこの治療、被せ物は保険の範囲で治療することが可能です。
症例
左上の親知らずを移植したケース
移植後長期経過確認済みの移植ケース
根未完成の移植ケース